リーダーシップに関する本の紹介。
リーダーシップシフト、中原淳著。これからのリーダーシップのあるべき姿やそのための手法が紹介されています。
端的に言えば、今は「職場の全員が活躍する=リーダーシップを発揮する時代」であり、一人のリーダーが周囲をグイグイ引っ張っていく時代ではないですよ、そのためには目標を明確に共有し個々の強みを把握し、誰もが意見を言いやすい安心した職場にしましょうよ、といった内容が書かれています。
まあ、特段目新しい着眼・提唱ではないというのが個人的感想ですが(普段のリーダー研修でそれこそ僕が受講者へ伝えている内容そのもの)、そのようなリーダーが求められる理由や背景は(研修で使えそうという意味で)参考になります。それは次の5つ。
・複雑化
・少数化
・多様化
・分散化
・多忙化
今は社会やテクノロジーの変化スピードが速く、仕事が複雑化していますし、労働力不足も相まってリーダー一人ではとても業務が回りません。人材も多様化しており、大手でさえ中途採用や外国人労働者を雇用するケースが増えており、リーダーよりも特定分野で優れた人材も増えています。更にリモートワークの普及により、人材や情報が分散化しています。あと個人的にここに加えるなら「生産性」ですね。
全員がリーダーシップを発揮すると言っても、個々に勝手に行動されては組織がまとまりません。その対策として必要なのは、明確な目標や方針を打ち出し共有することや誰でも意見を言いやすい職場にすること。後者はいわゆる「心理的安全性」で、その重要性は昨今よく耳にしますね。
当ブログでも過去に書きましたが、例えば昨年のWBCで優勝に導いた栗山監督だとか、少し古いですがサッカーの森保監督をイメージすると分かりやすいかもしれません。
今は全員がリーダーシップを発揮することが求められる、そんな時代なのです。